令和4年度 第3回基礎研修

8月6日(土)、今年度3回目の基礎研修は「疾患の理解」がテーマであり、認知症と難病について学びを深めることができましたのでご報告いたします。

【認知症】

今村総合病院 精神科認定看護師 鶴田奈緒美先生より「認知症の人の理解」というテーマでご講義いただきました。認知症を取り巻く現状や病態・症状について説明してくださり、正しく認知症を理解することは、認知症を患っている方が「その人らしい生活」を続けることができる支援に繋がるのだと感じました。また、家族支援についても家族がたどる心理的ステップの対応について事例を用いてわかりやすく教えていただき、家族支援の重要性や家族も支援者となる私たちも認知症を患っている方の環境の一部であることを改めて認識することができました。講義の中でご紹介のあった鹿児島市の「認知症ケアパス」は、認知症という疾患や利用できる制度等についてわかりやすく記載されているため、皆さんぜひ一度ご確認してみてください。

【難病】

南九州病院 医療社会事業専門職 前田宏先生より「難病の病態とその援助」というテーマでご講義いただきました。難病の定義や神経難病の病態について写真や動画など用いて視覚的にもわかりやすく説明いただきました。疾患や病態を知り、そのうえで自分がその病気にかかったらと考えることで、より病気や困り事を身近に具体的に考えることができました。何に困るのかは人によってそれぞれであり、支援者として私たちに何ができるのか、制度的な知識を活用するだけでなく対人援助職として態度や価値観をしっかり持ち合わせることの大切さを改めて感じました。難病支援において利用できる制度やサービスについても、手順やサービスの組み合わせ等をわかりやすく教えていただき、大変勉強になりました。

 

鶴田先生と前田先生お二人の講義から、疾患からその人をみるのではなく、その人そのものと向き合うことの大切さ疾患を正しく理解することは、クライエントの全体像を把握するために必要なアセスメントの1つであることを感じました。

鶴田先生、前田先生 貴重なご講義ありがとうございました。

(鹿児島大学病院地域医療連携センター 神村 優衣)