3月5日に全体研修会「意思決定支援 本人の意向を尊重した支援とは?」について一般社団法人Saa ・Ya 鶴田啓洋先生にご講義いただきました。
前半はご自身の体験を踏まえての講義でした。なぜ意思決定や自己決定を尊重しなければならないか、なぜ殊更に意思決定や自己決定の尊重が叫ばれているのか。それはそうすることがまだ浸透していない、通常の事でないということであるということでした。
利用者のため、患者のためと言葉が先行して語られていることが多いが、実際には組織や環境など様々な都合によりそれを優先せざるを得ない状況ができてしまうことがある。私たちソーシャルワーカーが尊重すべきはクライエントの言葉や気持である。これに対して私たちが本質や価値を見極め、小手先の技術での対応にならない様、また、周囲の意見に流されすぎないようにしていくことが重要であるといったことを話されていました。
後半は事例を参考にグループワークを行い改めて自己決定支援を行うにあたってどのように支援していくかを話合いそれぞれ発表していただきました。前半の講義での話を踏まえて様々な思いを考えながらのグループワークでは意思決定はもちろん日頃のソーシャルワークについても考えさせられる機会となったと思います。
最後に鶴田先生より自己決定支援とは本人が発していることに対し本当にそれが望ましいものであるのかを寄り添い一緒に考え様々なことを踏まえたうえで自己決定できるように支援していくこと、また、自己決定とは変化していってもよいものであるということを話されていました。
今回の講義は、自己決定支援について深く考える機会になり今後にとても参考になったと感じました。また、実体験をお話しいただいた部分ではこれまでのジレンマや紆余曲折様々な体験を教えていただき勉強になったとともにとても驚きました。
ご講義いただいた鶴田先生、参加いただいた皆様ありがとうございました。
(林内科胃腸科病院 毛下)